久保智史展 『旅する子供』
久保智史は、画面上に点を描き、点と点を線でつなぎ形を作っていくという独自の手法で絵を描いている。色彩が形と形の関係性を生み出し、絵に表れる形は人や動物や建物などさまざまである。作家自信も絵が出来上がるまでどのような絵になっていくのかはわからない。『単純な仕組みでありながらも、有機的に画面が進歩して いったらおもしろい』と久保が語っている。

久保と久保の作品について何度か話をした。私がウダウダあれこれ言っているのにも久保は確りと丁寧に受答えしてくれる。話し始めて30分位たった頃、ゲロゲロ〜ゲロゲロゲロ〜♪とカエルの鳴き声が聞こえた。一瞬、え?と思うと、久保が鞄(コムデギャルソン)から携帯を取り出した。久保の携帯の着信音だった。
そういえば数日前、久保はhintenで熊の人形とでっかいルーペを買って行ったのを思い出した。

積み木をぶった切った話、バルケンホールについて、画面いっぱいに絵を描きたくて点を打ち始めた。などいくつかのキーワードは出たが、そういうことかーーーーーーーー!!!!!!!!!という大発見は出来ずに、あんかけパスタ屋に晩飯を食べに行った。久保は、ポパイというほうれん草入りのあんかけパスタを注文してい た。なぜかテレビを見るか?という話題になり、私はあまり見ないなあ。と言った。久保はテレビをずっとぼけーっと見ちゃう、だから夜寝るの遅くなっちゃう。と言っていた。その通りだと思った。

漫画家 浦沢直樹(代表作に「20世紀少年」「YAWARA」など)が言っていた。
制作にいきづまった時、自分の好きなものを書き出せ。そしてその書き出したものの共通点を探せ。そうすれば何かが分かる。私も文章を書くのにいきづまった。
ここに事前に聞いておいた久保の好きなものを書いておく。私と一緒に久保の作品に存在する『何か』を一緒に作品と照らし合わせながら探っていきませんか。 みんな!僕はカエルと熊とルーペとポパイを見つけたよ!!
企画者 山下拓也