山内亮典 展  『翡翠の山』
山内亮典の描く絵画は、様々な快調を持ったブルー、グリーン系の色彩で構成される事が多い。その様はまるでブルーやグリーンのカラーフィルム越しに見た世界のようだ。
「世界堂」などは、風景や実在する空間を描いていながら、一つのモチーフに焦点が合っており、山内自身が何かしら関心を持ったモチーフ以外はぼやけた色面 へと変貌している。
山内独自の視界で世界を再度見直す姿勢。山内自身はこの世界に存在している事実は認めてはいるものの自分が興味あるもの以外に焦点が合う事はなく、自分の関心のあるものだけをしっかりと確認し、必要であるならば、その物自体を再び再構成し、自分の見たいものとして再度構成しているようだ。

とそれらしい事を綴ったが、絵画の知識が皆無である私は、自身の平面作品でも、ガラスや紙にポスカで描くなど、絵画の文脈での話は避けている。ビビっている。
漫画家 浦沢直樹(代表作に「20世紀少年」「YAWARA」など)が言っていた。
制作にいきづまった時、自分の好きなものを書き出せ。そしてその書き出したものの共通点を探せ。そうすれば何かが分かる。私も文章を書くのにいきづまった。
ここに事前に聞いておいた山内の好きなものを書いておく。私と一緒に山内の作品に存在する『何か』を一緒に作品と照らし合わせながら探っていきませんか。
企画者 山下拓也